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2008.04.01更新
 

「覆面調査員」、またの名を「ミステリーショッパー」!
 

「覆面調査」と聞くと、何やら怪し気な響きがありますが、今や「接客」を中心とする業種には欠かせない存在となってきています。

調査方法は、覆面調査員=ミステリーショッパーと呼ばれる人たちが一般客になりすましてお店を利用し、接客態度やサービスの質などについて細かくチェック。その評価結果を依頼主に報告するというのが一般的です。この調査方法、最近、似たようなものが話題を集めましたね。そうです、実はあの「ミシュランガイド」が産みの親とも言われています。

トイレの場所を尋ねた時、きちんと案内してくれるか?会計する時、1万円札でイヤな顔をしないか?など、50〜60項目についてお客様の目線で自店の実態が把握できるとあって、調査を依頼する企業の数・業種ともに急増中。飲食・小売り・サービス業が中心ですが、なかでもレストランやファストフードの大手チェーンやコンビニ、スーパー、ホテル、美容チェーン店をはじめ、ガソリンスタンド、携帯販売店、書店、病院といった、“接客=対面販売”が発生する職種の至るところに覆面調査員の影あり、と言っても過言ではありません。

ただ、最近、覆面調査需要の拡大に伴って、新たな問題点が噴出してきているのも事実です。それは、調査員の急増による質(レベル)のバラつきと調査機会の不均衡です。大手覆面調査会社「(株)日本LCA」の場合、調査員登録者数は20〜30代の女性を中心に約12万人と、3年間で約6倍にもふくれ上がりました。同社へ調査依頼する店鋪が月に約7,000店あるとすると、単純計算では年に一度も調査機会が回ってこない人も出てくることになります。これでは調査のスキルUPは望めません。一方、飲食店に特化した調査会社「(株)フードリンク」の場合は、登録者数約2,000人に対して依頼件数は約1,500件と、逆にレポートできる機会が多いのはけっこうなのですが、多くの店は月一回のペースで調査を依頼するため、同じ人が何度も同じ店の調査を行うことになり、“覆面”の意味を成さないという事態も。

調査会社の募集サイトから簡単に無料で登録できるため(最近は有料もあり)、あなたもすぐに調査員になれるという“敷居の低さ”がもろ刃の刃となっているといえます。それにしても、手間をかけた調査レポートの報酬は500〜1,500円ほどが中心とか。にもかかわらず人気なのは、スパイ気分を味わいながら食べ歩きも満たされるというあたりなのかもしれません。

※参考:株式会社日本エル・シー・エーHP http://www.lca-j.co.jp/
株式会社フードリンクHP  http://www.foodrink.co.jp/
本多正克著『覆面調査員は見た!感動のサービス あきれたサービス』
(デイスカバー・トゥエンティワン刊)
日経トレンディ


会社の名前が変わるとき。
 

「ノスタルジーに浸るより、国内外での成長の可能性にかける」と、松下電器産業(株)が2008年10月1日付(予定)で社名を『パナソニック』に変更すると発表したのは、1月10日のことでした。1918年の創業以来90周年の節目の年に、創業者の名前2文字を外すことは、さぞや「断腸の思い」(大坪社長)だったに違いありません。

社名変更には、これまで培ってきたブランド資産を一旦捨て去る“勇気”と“覚悟”が求められます。最近の主な企業をいくつか挙げてみましょう。 「福武書店→ベネッセコーポレーション」(’95)、「ニチメンと日商岩井の経営統合→双日」(’04)、「呉羽化学工業→クレハ」(’05)、「DDI ポケット→ウィルコム」(’05)、「石川島播磨重工業→IHI」(’07)、「カネボウ→クラシエホールディングス」(’07)、「エステー化学→エステー」(’07)etc.

社名変更にもいくつかのパターンがありますが、なかでも合併や経営統合上の変更に際しては様々な“ドラマ”が生まれます。例えば、日本石油と三菱石油の合併当初(’99)は、旧社名羅列型の『日石三菱』という社名でした。しかし、この名前だといつまでも旧日石、旧三菱という壁を払拭するのは難しいとの声が出始め、合併後3年が経過した’02年、再度社名変更し、『新日本石油』にしたという経緯があります。

また、やむをえず変更せざるを得なかった企業もあります。粉飾決算で経営が行き詰まった旧カネボウの場合です。「カネボウという会社に入社したのに、その名前が使えなくなるのはショックだった」(草柳ブランディングマーケティング部長)。昨年『クラシエホールディングス』として再出発しましたが、社員一丸となって過去の負のイメージを断ち切り、暮らしを見つめ直すことから新しい歴史を歩み始めようと、社内公募で新社名が決められました。

社名変更を成功させるポイントは、企業理念や戦略目標を明確に具現化することが大切だと言われています。つまり、いかに「名は体を表す」までになれるかということです。一方、社名変更という一大事業には莫大なコストがかかります。名刺から看板の類まで、松下電器の場合は今後1〜2年で300億円前後とはじき出されています!

※参考:松下電器産業株式会社HP http://panasonic.co.jp/
日経産業新聞
朝日新聞


生き残りをかけるコンビニ----中高年層をキャッチせよ!
 

1974年、豊洲(東京都江東区)に「セブン・イレブン」1号店が誕生してから、早34年。コンビニは、文字どおり私たちの生活には欠かせないコンビニエンス(便利)な存在として進化し続けてきましたが、このところ状況に少しずつ変化が表れてきたようです。

7兆円市場のコンビニ業界も、’07年は8年連続で既存店売上げが前年割れ。加えて、’06年に4万店を突破した店鋪数も、’07年の新規出店が全国で300店強にとどまったという現実。「すでに市場は飽和状態」(ファミリーマート上田社長)。

平均客単価が約585円と前年比減となり、全体的に右肩下がりのコンビニですが、第一の要因は、中高年の客が増えているにもかかわらず、その層に合わせた商品開発の遅れが響いていると言われています。ある大手チェーンでは、この10年で、40代以上の来店客が増え続け、全体の37%にまで達しました。ところが「多くの店では依然として20〜30代の若者向けの品揃え」(関係者)。それでなくても個人消費が伸び悩むなか、増え続ける年配世代が買いたくなる商品が少なければ客単価の伸びは期待できないのも当然です。

ところで、日頃なにげなく利用しているコンビニですが、その運営は実に緻密なシステムと涙ぐましい気配りから成り立っています。例えば陳列。売れ筋の商品は、おおよそ女性のバストの高さに置かれています。さらに人間の目線の動きを考えて、上段左から右へ、徐々に下がって左下から右下へと「Z」を描くように売れ筋商品が配置されます。新商品は毎週登場し、通常は火曜日に店頭に並びます。陳列スペースに限りがあるため、取扱商品の種類(アイテム)は増やさずに、商品の回転数で勝負します。つまり、本部で徹底的に絞り込まれた商品だけが店頭に並ぶことができ、かつ、次々と売れる商品に切り替えていくことで、客に飽きさせる“ヒマ”を与えないようにしているというわけです。ちなみに、入口そばの棚は最も目立つ場所なのですが、出入りが多く落ち着かないためか、最も商品が売れない場所です。

コンビニ・ヘビーユーザーの皆さんも、ちょっと視点を変え、売り手側の立場からいつものコンビニを見渡してみてはいかがでしょう。

※参考:日経ビジネス Associe
朝日新聞
R25