日ごとに春めいてきました。寒さでちぢこまっていた体を動かしたくなる季節ですね。陽気がよくなると自転車に乗りたくなるという方も多いのではないでしょうか。
自転車は1813年、ドイツで生まれました。日本で国産の自転車がつくられたのは1890年。以来約2世紀を経た今、移動手段としての自転車は、CO2も排出せず電気も使わない、環境にやさしい乗り物として脚光を浴びています。実際に、京都などの観光地や大都市圏から始まった「ベロタクシー」(ベロは仏語で自転車)も、今では日本各地に広がっているそうです。さらに近年の健康志向や節約志向を受け、自転車で通勤する「ジテツウ」「自転車ツーキニスト」もすっかり市民権を得ました。
さて、自転車が環境や健康によいことはわかりましたが、駅や学校まで、あるいは買い物に使う程度の人でも楽しめることはあるのでしょうか。はい、それは「ポタリング」。耳慣れないことばですが、【自転車で散歩すること。目的地を定めたり走行計画を立てたりすることなく、気分や体調に合わせて気の向くままに走る】(大辞林より)という意味の自転車用語です。ちょっと隣町まで探検してみよう、とか、雑貨屋さん巡りをして帰りは食材を買ってこよう、くらいのノリで誰でも自分流に楽しめるのがポイント。ママチャリ、電動アシスト付き自転車、話題の「幼児2人同乗自転車」、補助輪付きなど、自転車を問わないのもうれしいところです。もちろん装備や体力も問われません。
やわらかな陽射しとそよ風を感じながら、自転車でお散歩。なんだか今すぐペダルを漕ぎたくなりますね。
※参考:財団法人 自転車産業振興協会 http://www.jbpi.or.jp/
宮田工業株式会社 http://www.miyatabike.com/
NPO法人 環境共生都市推進協会 http://www.velotaxi.jp/
自転車文化センター http://cycle-info.bpaj.or.jp/japanese/
パン、お好み焼き、ケーキ、ラーメンにフライに餃子などなど、いろいろな食べ物に姿を変えている「小麦粉」。今や日本の国民1人あたりの小麦消費量は年間約32kg(2007年度)と、お米の年間消費量61.4kg(2007年度)の約半分です。
小麦粉はグルテン(たんぱく質)の違いによって3種類にわけられます。パンに向く「強力粉」、うどんなどに向く「中力粉」、ケーキやお菓子などに向く「薄力粉」です。これらの小麦粉は小麦の表皮(ふすま)や胚芽を取り除いて製粉するもの。小麦の粒をまるごと挽いたのが「全粒粉」で、開発と普及に貢献したアメリカの医師、グラハム博士にちなんで「グラハム粉」とも呼ばれます。胚芽やふすまを含んでいる分栄養価が高く、食物繊維やミネラル、ビタミンB群が豊富です。つぶつぶした食感は、食パンでもおなじみでしょう。同じような「ライ麦粉」はライ麦を挽いた粉。こちらは小麦粉ではありませんが、ヘルシー志向の高まりにともない、グラハム粉と同様に人気が高まっています。
さて、小麦粉は古くから人間に作物として育てられた穀物で、約1万年前にはすでに栽培されていたそう。古代エジプトでは発酵させてパンを焼く技術も編み出され、今のパンの礎となりました。日本でも弥生時代にはすでに作物としてつくられていて、時代とともに麺になり、お菓子になってきました。今でも日本各地に小麦粉を使った郷里料理があり、特に関西はお好み焼きやたこ焼きといった「コナモン」の地として有名です。
また、日本人はお米の味にこだわるとよく言われますが、実は小麦粉も例外ではありません。日本の小麦粉は世界一種類が多いのだとか。それは食生活のバリエーションが豊富なため、小麦粉からつくられる食品の種類が多いからです。パンには強力粉とひと口にいっても、日本では食パン、フランスパン、あんぱん・・。やわらかさや食感などが全然違います。そういえば、うどんもコシや歯ごたえ、もちもち感重視など多彩です。
おいしく豊かな食生活のために、きめこまかく対応していった結果の世界一。実はわたしたちは、小麦粉にとても恵まれていたのです。
※参考:財団法人 製粉振興会 http://www.seifun.or.jp
日清製粉グループ http://www.nisshin.com
日本コナモン協会 http://www.konamon.com
※データ出典:小麦粉/(財)製粉振興会
コメ/平成20年度 食料・農業・農村白書