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2013.05.01更新
 

地道なイメチェン戦略の効果です。やっと浸透してきた「軽失禁ケア」商品。
 

苦戦が強いられているトイレタリー業界の中で、巨大な市場が眠っていたようです。ここ数年2ケタ成長を続け、2015年には300億円を超えようかという勢いの「軽失禁ケア」市場です。

咳やくしゃみ、大笑いした瞬間。重いものを持ち上げようとした時や階段を駆け下りた時など、尿意がないのにお腹に力が入った時にちょっと漏れるといった軽失禁は、女性で最もよく見られる尿漏れのタイプで、主に出産や加齢によって起こると考えられています。
成人女性の3人に1人が尿漏れ経験者だといわれているにも拘わらず、「軽失禁ケア」商品の認知度は低く、使用率は2割に満たないのが現状です。“周囲の人に相談できない”“レジに並ぶのが恥ずかしい”と、生理用品で代用している女性がまだまだ多いのも実情。しかし、基本となる吸収材が異なるため、生理用品では尿の量や出る速度などの関係から吸収が間に合わないばかりか、横漏れや肌のかぶれ、ニオイなどがカバーできず、代替品に適しているとは言えません。
メーカーにとっては、こういった“代用者”を取り込むことが大きな課題でした。根強い負の印象を払拭して、介護用の失禁ケア商品との違いをいかに打ち出すか。そこで、女性の意識変革に業界が一丸となって取り組み、新しいイメージ戦略での展開を始めました。

まず、1997年、最大手の[ユニ・チャーム]が、軽失禁用品に対する抵抗感をなくしてもらおうと、日本で初めて女性タレントをCMに起用。2005年からは、パッケージに“軽失禁”“尿漏れ”といった言葉を避けて、“吸水”という言葉を使用。[花王]も“尿”というワードを削除して介護イメージからの脱却を図ると共にサンプリングを強化。フィットネスクラブや縁日、バスツアー、劇場など、ターゲットの女性たちが集まりそうな場所で、積極的に認知拡大と使用機会のアピールに取んでいます。
また昨年、[大王製紙]の軽失禁ケアブランド「ナチュラ」の販促ツールに、漫画家の柴門ふみさんによるキャラクターが登場。小冊子や店頭販促物、ホームページ上で、軽い尿漏れは誰にでも起こりうることをアピールして軽失禁に悩む女性たちを応援しています。
一方、後発の[小林製薬]は、おりものシート市場をけん引してきた「サラサーティ」の知名度の高さから、あえて“尿漏れ”という言葉を商品名に表記。これも、ネガティブな反応に負けずに認知度の向上につながる商品を目指そうという心意気の表れと言えます。

今後は、若い女性が抵抗なく気軽に手に取れる売り場づくりが、市場拡大への重要なポイントとなりそうです。 


※参考:
日本衛生材料工業連合会   http://www.jhpia.or.jp/
ユニ・チャーム   http://www.unicharm.co.jp/
花王   http://www.kao.co.jp/
大王製紙   http://www.elleair.jp/
小林製薬   http://www.kobayashi.co.jp/
日経MJ(2013年2月4日付)


“捨てる”より“預ける”。格安トランクルームが好調の「収納ビジネス」市場。
 

遊休空間を活用した「収納ビジネス」が毎年、拡大を続けています。正確には「セルフストレージ(保管)ビジネス」と呼ばれており、日本の場合、事業主体によって大きく3つに分類できます。
まず、倉庫業者が倉庫業法に基づいて物品を保管し、預かっている間の管理責任は業者が負う「トランクルーム」。単なる“スペース貸し”ではなく、預かるモノの特性に合わせた価格体系やサービスなど、よりキメ細かな対応と保管能力の信頼性の高さで急成長しています。
2つ目が、不動産関係などの非倉庫業者が、ビルなどの空間を区分けして賃貸する「レンタル収納スペース」。リーマンショック後、オフィス街では空きビルの有効活用として、また住宅地ではマンションの1階・地階の空きテナントスペースなどを拠点として増えています。
3つ目は、同じく不動産事業者が屋外のコンテナや鋼製物置などを収納スペースとして貸し出す「コンテナ収納」。郊外の空き地や空き駐車場の有効活用で拠点数を伸ばしています。

ここにきて特に活発な動きを見せているのが「トランクルーム」で、ユニークな“新種”も続々、登場しています。
トランクルームのパイオニア、[寺田倉庫]の新サービスは“クラウド時代のトランクルーム”と話題の「minikura(ミニクラ)」。自分の預けた物がネットでチェックできるという新発想がウケています。“HAKO(ハコ)”というサービスは、専用の段ボールに荷物を入れて送るだけ(三辺合計 120cm/20kg以内)。1箱月額200円で利用できます。“MONO(モノ)”サービスは、1箱に30点まで、1品ごとスタッフが撮影し、専用のWebにアップして1箱月額250円。
同社では今年3月から[伊勢丹本店]内に受付カウンターを設置し、衣料や靴など、段ボール1箱20kg以内を月額200円で預かる「パーソナルトランク保管」をスタートしました。

“本”に特化したトランクルームが[ブックオーシャン]。専用の段ボールに詰めた本を定温低湿で保管。ユーザー専用の“Web本棚”へ書籍タイトルが登録され、1冊単位で取り出すことができます。
荷物1個(三辺合計120cm/20kg以内)が一日10円から保管できるというのは[デイ倉庫]。預けた物を預けた日数分だけ料金が発生するシステムで、例えば大型冷蔵庫300円、電子レンジ20円、ゴルフバッグ20円(すべて一日料金)といった具合に、コインロッカー感覚での利用が可能です。

いまは使わない、でも捨てられない、じゃ預けてしまおう-----2012年時点で屋内型トランクルーム数は2008年のほぼ倍増となりました。その背景には、貸しビル業者などによる空きスペース有効活用の動きが活発化したため平米単価が下落したこと。加えて、東日本大震災以降、家財道具や思い出の品などを自宅以外の場所に収納しておこうといった“リスク分散”としてのニーズの増加も見逃せません。


※参考:
寺田倉庫   http://minikura.com/
ブックオーシャン    http://book-ocean.com/
デイ倉庫   http://www.day-soko.gr.jp/
レンタル収納スペース推進協議会   http://www.rentalspace.org/
日本セルフストレージ協会    http://www.japanssa.org/
日本倉庫協会   http://www.nissokyo.or.jp/
朝日新聞(2013年1月19日付)
日経MJ(2013年3月11日付)


病院に行く時間がない人へ。「在宅検査キット」で、まずチェック。
 

自分で“予病”したり、初期的な兆候を毎日管理して大病へと進行させないことを目的とした「セルフメディケーション」と呼ばれる市場が拡大しています。体調面で気になることがあっても忙しくてなかなか病院に行けないという現代人にとって、ITやバイオ技術を駆使した「在宅検査キット」の存在はありがたく、需要は高まる一方です。

[リージャー]の血液検査キット「DEMECAL(デメカル)」は、指先のほんのわずかな血液(0.05cc)による検査を実現。例えば、「動脈硬化リスクチェック」なら、脂質・血糖・血圧・血栓症の検査項目で8,925円。がんリスク検査キット「胃がん+女性がんリスクチェック」の場合、胃の萎縮度・消化器系・卵巣などのがんマーカー検査で9,450円。Webでキットを取り寄せ、専用器具で採血し、返送すると同社の検査センターで検査。3〜4日後にメールで検査結果が、1週間ほどで結果シートが郵送されてきます。検査精度は一般病院と同等のレベルということです。
[アルバコーポレーション]の「郵送検診キット」は、大腸がん検査(2,940円)なら“便”を、糖尿病検査(3,675円)なら“血液”を採取して返送。約1週間後に、郵送またはメールで検査結果が届きます。また、エイズやクラミジアなど、全27種類のSTD(性病・性感染症)の検査が匿名でできるキット「STDチェッカー」(9,870円)もあります。
昨年12月には、[Yahoo! ヘルスケア]と[ジェネシスヘルスケア]が連携して遺伝子検査キット「GeneLife(ジーンライフ)2012」(2万9,800円)を発売しました。脳梗塞、糖尿病や片頭痛、痛風、鼻炎アレルギーなど、一度に68種類もの遺伝子をチェックすることができ、病気の発症リスクや体質を判定します。検査方法は、唾液を採取して送り返すだけ。

スマホのアプリを使った検査サービスも登場しました。食事の写真をメールで送信すると、管理栄養士がその内容を分析、栄養計算をしてくれるアンドロイド向けアプリ「撮って栄養」([IMD])。これまで法人向けの食事指導用として提供していたシステムを個人向けにリリースしたもので、利用するにはアプリをダウンロードし、IDの作成が必要となります。利用回数制限無しで、月額4,725円。

昨年、コンビニの[ファミリーマート]で、「リスク対策遺伝子検査キット」が試験的に販売されました。いまや、コンビニでドリンクと一緒に検査キットを購入したり、スマホで友達にメールするついでに健康管理までできてしまう時代になったようです。


※参考:
リージャー   http://www.leisure.co.jp/
アルバコーポレーション    http://www.albacorp.co.jp/
Yahoo! ヘルスケア    http://health.yahoo.co.jp/
ジェネシスヘルスケア    http://genelife.jp/
IMD   http://imd.jp/
R25( No.32/2012年12月20日〜2013年1月16日)


 
 
 
 
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