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2009.10.01更新
 

「草食系男子」たちも、それなりにアクティブなのです。
 

突然ですが、近頃、脚光を浴びている(?)「草食系男子」に興味はおありですか?彼らの特質としては、競争心が希薄で恋愛に積極的ではなく、なにより家族と大変仲が良い。そして、お酒よりカフェやスイーツが好き!

さて、その「草食系男子」とは根っ子のところが同じと思われる、「弁当男子」や「自炊男子」と呼ばれる“手作り派”男子たちが、いま、あちらこちらのマーケットで、思わぬ経済波及効果をもたらしています。

オフィスに弁当持参の独身男性が増えています。それも、お手製のお弁当です。

まず、男性向け弁当箱の売れ行きが伸びました。カタチから入る「弁当男子」にとって、マイ・ランチボックスはこだわりに値する重要なアイテムです。保温ジャー付のものやバッグに入れても倒れにくいスリムな2段式のものなど、¥2,000〜¥4,000前後が売れ筋。売り場では、「お弁当箱フェア“ランチマーケット”」と銘打ったイベントセールを催したり、弁当男子たちの取り込みに積極的です。

また、弁当箱と一緒に買っていく男性の姿が増えたのが「水筒」売り場。お気に入りのレシピで煎れたお茶を職場やキャンパスに携帯する「水筒男子」の出現も忘れてはいけません。人気は、片手で簡単にフタの開け閉めができるもので、直接口をつけてゴクゴク飲めるタイプ。

さらに、ここでは詳しくは触れませんが、「自炊男子」たちは調理器具も機能&デザイン面にこだわって選択。キッチンツールの売り場には、明らかに若い男性の姿が増えたといいます。

「弁当男子」たちが増えてくると、当然のごとく料理を自らの手で実現するためのテキストが必要となります。そこでいま、冷え込んだ出版市場の中で、俄然勢いを増しているのが、若い男性読者をターゲットにしたレシピ本の出版です。書店でも、実用書コーナーではなく、入口付近やレジ横などの“一等地”に平積みしてあり、売り手側の熱の入れようがうかがい知れます。

中でも、10万部以上のヒット本となったのが、人気料理研究家のケンタロウとタレントの国分太一の『太一×ケンタロウ 男子ごはん』(M.Co./¥1,890)。二人が出演するテレビ番組「男子ごはん」でのレシピを収録したもので、オトコのつぼを押さえた料理本として好評です。

また、自分で作った料理写真やレシピをネット上にアップして楽しむ“キッチン・ブロガー”たちも増えています。宝島社から刊行された『こうちゃんの簡単料理レシピ』(¥940)は、売れっ子ブロガーのこうちゃんこと相田幸二さんのレシピ集で、シリーズ7冊で既に190万部を売り上げた大ヒット本となっています。

「弁当男子」誕生の背景には、“節約”や“健康”“食の安全”などのキーワードが挙げられますが、彼らは、そんな理屈ではなく、楽しみながらリフレッシュ感覚で料理を作り、お弁当を作り、自分だけのマイ・ティーを水筒に詰め、心地よい日常を過ごしているだけなのかもしれません。

これからも、様々な「○○男子」が生まれることでしょうが、その行動に附随して、今度はどんな分野で経済効果をもたらしてくれるのか、興味のあるところです。

※参考:M.Co.(角川グループパブリッシング)  http://www.kadokawa.co.jp/
宝島社    http://tkj.jp/
日経産業新聞(2009年7月20日付/8月19日付)
朝日新聞(2009年8月16日付)


それ、アクセサリーですか? いえ、女性専用のヘッドホンです。
 

家電店に行っても、よほどのオーディオマニアでもない限り、ヘッドホン売り場は通過してしまうものですが、ちょっと見ない間にヘッドホンの世界が大変なことになっていました。特に、女性向けのインナーイヤー(耳栓)タイプのヘッドホンの進化には、目を見張るほどです。そこはまるで、アクセサリー売り場のようです。

音漏れしにくい、快適な着け心地、高音質設計、といった機能面の進化は想像できますが、驚いたのは、耳に装着したときに表に出る部分のデザインや色使いなどのオシャレさです(写真でご覧いただけないのが本当に残念です)。

2007年から女性開発チームによって女性向けヘッドホンを発売している「オーディオテクニカ」から、今年7月、花のつぼみをイメージした新製品がデビューしました(¥2,520)。コロンと丸みを帯びたデザインで、ミントグリーン、ピンク、パープルなど全8色が、これまたステキなケースに入って、女性のオシャレごころをくすぐります。ちなみに、08年の同社のヘッドホン全体の売上高は、対前年比14%増に拡大しました。そのけん引役となったのが、女性向けの商品だったことは言うまでもありません。

パソコン周辺機器メーカーの「エレコム」は、今年6月に「サンドリーズ」シリーズ(¥1,500前後)を発売。マーブルチョコレートや粒ガムのような質感&デザインで全8色を用意。このシリーズ以外にも、ハート形や薔薇の花をモチーフにしたもの、ラインストーンをあしらったものなどユニークな商品が多く、ピアスやイヤリングのようなアクセサリー感覚で耳元を飾ります。

「パナソニック」も今年7月、初めて“女性向け”とうたった「ムーン ジュエル」(¥2,500前後)を発売しました。その名の通り、宝飾用の人口石であるキュービック・ジルコニアをちりばめたキラキラと輝くヘッドホンで、12星座にちなんでカラーも12色。女性チームが商品開発から販売戦略まで携わっただけあって、女性目線ならではのキメ細やかさが反映されています。

女性向けヘッドホンは、「iPod」の普及に伴って各社が本格的に取組み始めたという経緯があります。06年に立ち上がった女性向けヘッドホン市場は、09年には対前年比60%を超える売上台数の増加を見込むほどの驚異的な伸びを見せています。

ヘッドホンも、その日の気分で選んだり、洋服や小物、ヘアーアクセサリーやネイルとコーディネートして楽しんだりと、ファンシィグッズテイストで使い分ける時代になったようです。昔のように1個と言わず、お気に入りを数個“オトナ買い”することも可能な価格なのですから。

※参考:オーディオテクニカ    http://www.audio-technica.co.jp/
エレコム    http://www.elecom.co.jp/
パナソニック    http://panasonic.jp/headphone/
日経産業新聞(2009年7月3日付)


“ここだけの味”でくすぐる、「ご当地スナック菓子」
 

私たちは、“いまだけ(期間限定)・ここだけ(地域限定)・これだけ(数量限定)”をアピールした限定商品に弱い特性があるようです。レアもの感覚に、思わず心が騒いでしまうのでしょうか。とくにスナック菓子の分野では、日本全国、地域限定商品が花盛り。その数、数百種類ともいわれています。

これまでも、空港や駅、高速道路のサービスエリアなどにはお土産品として「ご当地スナック菓子」は存在していました。しかし最近の新しい傾向としては、地元の消費者に向けて、特別な商品としてではなく日常的な商品として地元のスーパーやコンビニで売られている点です。

カルビーの子会社「カルビー湖南」(滋賀県)が企画開発した滋賀限定販売のポテトチップスが話題を呼んでいます。その名も「しがじゃが ほんのり塩味」「しがじゃが えび豆味」。地元、滋賀県野洲市の上屋地区の畑で収穫されたトヨシロというジャガイモだけで作られたポテトチップスで、今年6月から県内の大手スーパーで販売している生粋の“地産地消”ポテチです。3年ほど前からの、カルビーと地元農家との地道な努力が実を結びました。地元の材料を使っているので親しみがわくと、京都など周辺府県の消費者にも人気の輪が広がっています。

お馴染み、江崎グリコの「プリッツ」にも限定商品が発売されました。全国6地区限定の「マイエリア」シリーズで、それぞれの地域の個性をイメージして味作りした、そこでしか買えない・味わえないプリッツです。北海道・東北「ホタテバター味」、関東・甲信越・静岡「あっさり海苔味」、中部「小倉トースト味」、近畿「ねぎ焼き味」、中国・四国「鯛の塩焼味」、九州「ゆずこしょう味」の6種類で各地区のスーパーやコンビニで販売。

ハウス食品の限定スナック菓子は、ポテトチップス「オー・ザック」の「二度づけゴメンの 大阪 串かつ味」。今年6月、大阪・京都を中心とした関西エリアだけの地域限定販売でしたが、定番商品を上回る売れ行きとか。

経済状況の影響でしょうか、家で過ごす時間が多くなり、“巣ごもり族”の増加に伴ってスナック菓子の需要も右肩上がりで増え続けています。ただ、長期的にみると、この市場に新しい風が必要になってくるのは明らかです。そこで各メーカーが着目したのが“ここだけの味”を追求したご当地商品です。

今後のスナック菓子市場は、全国区のマス商品との両輪で、小ロットながら地元の人が親近感を抱き着実に売上げが確保できるような“地方区”の商品がカギをにぎりそうです。

※参考:カルビー   http://www.calbee.co.jp/
江崎グリコ  http://www.glico.co.jp/
ハウス食品  http://housefoods.jp/
日経産業新聞(2009年7月24日付)


 
 
 
 
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