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2015.10.01更新
 

若いときから口内衛生を! 攻勢をかける「洗口液」市場。
 

歯周病などの歯の疾病予防や口腔内の抗菌・清潔志向の高まりにより、オーラル(口腔)ケア市場が好調に推移しています。なかでも昨今は、口のニオイに敏感な若い世代の増加といった、日本社会独特の健康清潔トレンドを背景に、「口腔洗浄液(洗口液=デジタルリンス/マウスウォッシュ)」を日常的に使用する人が増えてきました。ただ、市場的に勢いがあるとはいえ、普及率は30%前後でユーザー層は50代以上の中高年が中心と、大きな偏りが見られる点が課題といえます。

殺菌剤などの有効成分を含んだ“医薬部外品”の「洗口液」には、「クリアクリーンデンタルリンス」(花王)、「クリニカクイックケア」(ライオン)、「薬用モンダミン歯肉炎予防」(アース製薬)、「薬用リステリン」(ジョンソン・エンド・ジョンソン=J&J)、「ガムデンタルリンス」(サンスター)など、各社、独自の成分配合による予防効果や刺激度の違いによって細かくシリーズ化されており、激戦区となっています。

課題克服のため、各社は、40代以下の若年ユーザー層の獲得に乗り出し、多角的な販促で攻勢をかけます。

[J&J]は、実際に使用してもらうトライアル・サンプリングを重視。オフィスやスポーツジムのトイレなどに「リステリン トータルケア ゼロ」のサンプルを置く作戦を実施。その数、約5,000カ所。また、今春行って10万人もの参加者があったという「リステリン 21日間チャレンジ」のネットキャンペーンを10月から再開。毎日ネットで達成報告をするとポイントが貯まって賞品が当たる抽選に応募できるというもので、参加者には「リステリン」を郵送し習慣化をアピールします。

[アース製薬]からは、「モンダミン」シリーズに女性をターゲットにした「リッチアップルミント」と「ピンクシャンパーニュ」が登場。同社では「モンダミン」の需要拡大で生産が追い付かなくなり、新工場新設計画を発表しました(2016年完成予定)。

シェアトップの[サンスター]は、今年9月、歯科医院向けの口腔ケア製品である「バトラー」シリーズから、日本初となる虫歯予防効果のあるフッ化物配合の洗口液「エフコート」を一般向けに発売。若い世代へ、手軽に虫歯予防ができることを訴求します。

他にも、朝用・夜用と使用時間帯で分けたものや、フルーツフレーバーのもの、大容量タイプのものなど、各社、様々な工夫を凝らして「洗口液」の使用率拡大を目指します。

余談ですが、歯が着色する二大要因は、喫煙と加齢(エナメル質の摩耗と歯石の沈着)。口臭の原因は、舌に付着した汚れによる細菌の繁殖といわれています。

※参考:
花王                 http://www.kao.com/jp/
ライオン               http://www.lion.co.jp/
アース製薬             http://www.earth-chem.co.jp/
ジョンソン・エンド・ジョンソン   https://www.jnj.co.jp/
サンスター              http://jp.sunstar.com/
日経МJ(2015年7月17日付)


“買う”までに、借りて、試して。拡大する「お試しサービス」市場。
 

消費増税や輸入原材料費の高騰などによる日用品の値上げが相次ぎ、まだまだ財布のヒモは引き締めモード。だからこそ、“この買い物は間違ってはいないだろうか”“本当に私に合っているか自信がない”と、ますます買い物に“臆病”になってしまいがち。高い情報収集力が備わった分、逆に情報過多となり、選択肢の多さに正解が選びにくくなっているという皮肉な状況を招いているようです。いま、そんな消費マインドを背景に、あらゆる業態・業種で広がっているのが「お試し消費」。自分なりに納得して購入を決断するまでの“お見合い”の機会を提供してくれるビジネスが、続々と出現しています。

普段着の月額制オンラインレンタルサービスを始めたのが[エアークローゼット]。会員登録(無料)してサイズや好みを伝えておくと、プロのスタイリストの選んだ服が毎回専用BOXで3着ずつ(トップス2点+ボトムまたはワンピースの計3点)、着こなしアドバイス付きで届きます。月額6,800円。返却期限はありません。着終わって専用BOXで返却すると(送料無料・クリーニング不要)、また新たな3着が送られてくる仕組み。気に入った服は買い取ることもできます。自宅のクローゼットのクラウド化ともいえる、このありそうでなかったサービスが好評で、今年2月のスタート以来、すでに5万人強が登録。

今年3月から、新品の国産ワイシャツのレンタルを1枚月額980円で始めたのは[プレジャライフ]。返却期限なし、送料無料。1年間利用し続けると自動的に新品が届きます。気に入ったら購入も可。

新品家具のレンタルサービス[スタイリクス]は、部屋の間取り図を基に、7万点の中からインテリアコーディネーターが最適な家具を選んでくれます。最初に家具代金の30%(契約終了時や買い取り時に戻る)と配送料+開梱設置料を支払います。月々のレンタル料は、最低利用期間の2年間で家具代金の3%。

ネット通販でメガネの“試着”を2012年から展開している[オーマイグラス]では、一回につき5本まで、5日間無料で試せます。

[ヤマハ]では「音レント(OTORENT)」という楽器のレンタルを実施中。レンタル期間は、最短1カ月〜最長30カ月。一番人気のアルトサックスで、月額、新品5,800円、中古4,000円から。

最近は、お中元・お歳暮シーズンになるとデパートで「有料試食」がブームです。贈る側も、贈る品の味を知っておこうという“納得消費”の極め付けともいえるお試しぶりです。

※参考:
エアークローゼット       https://www.air-closet.com/
プレジャライフ          http://pleasulife.com/
スタイリクス            http://www.stylics.com/
オーマイグラス          http://www.ohmyglasses.jp/
ヤマハミュージックジャパン  http://www.yamahamusic.jp/
日経МJ(2015年6月5日付)


ユーザーには歓迎です。活発化する、「ポイントサービス」再編の動き。
 

ショッピングや飲食の際にもらえる「ポイントサービス」。かつては、購入店舗への再来店を促すのが主な目的だったため、利用した店舗でしか使えないという性格のものでした。しかし、消費税率引き上げ以降のポイント志向の高まりから、顧客視点でのサービス展開が求められるようになると、従来の閉鎖的なポイント施策だけではカバーしきれなくなってきました。そこで進化したのが、異なる複数の企業・店舗間でポイントをやりとりできる「共通ポイントサービス」のシステムです。1枚のカードで、実店舗でもネット上のショッピングでも、業種・業態を超えて貯めたり使ったりできるのが最大の特徴です。

“三大共通ポイント”と呼ばれているのが、「Tポイント」(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)、「Ponta(ポンタ)ポイント」(ロイヤリティ・マーケティング)、「楽天スーパーポイント」です。

王者として君臨するのは、国内最大規模の「Tポイント」。[ファミリーマート][ソフトバンク][エディオン]などが主な提携先です。

その背中を追うのが「Ponta」。主な提携先は、[ローソン]を筆頭に[リクルート][HIS][JAL][ビックカメラ]など。

そして2013年、その2強に割って本格参入してきたのが、ポテンシャルの高さを誇る「楽天スーパーポイント」です(翌年には「Rポイントカード」がスタート)。主な提携先は、[サークルKサンクス]や[出光興産][ミスタードーナツ]など。

それぞれ利用店舗数の拡大とユーザー獲得を目指して、ポイント交換先の見直しを図りながらの再編の動きが活発になっています。

2012年に発表された「Yahoo!ポイント」と「Tポイント」の統合が再編の序章でした(実施は2013年)。この衝撃的な情報は、ネットとリアルを横断した日本最大の共通ポイントサービスの誕生と言われ、その後の業界を大きく揺るがすエポックとなりました。さらに今年5月、[NTTドコモ]が共通ポイントに参入するというニュースが駆け巡りました。「Pontaポイント」と提携して、今年12月から「dポイントカード」が誕生することになります。

また[東京電力]も、「Ponta」と「Tポイント」の双方と提携してポイントサービスを開始。2016年4月からの電力小売り全面自由化に備えます。

「共通ポイントサービス」の広がりは、購買データの収集・分析に大きく貢献します。“顧客プロファイリング”を蓄積してビッグデータとして解析。1社だけで集積した顧客データより、複数の多様な業種から集めた消費者情報が、より精度が高まるのは明らかです。

各ポイントサービス間の競争激化は、ユーザーにとってはメリット大。賢い活用法としては、全種類のポイントカードを所持して使い分けるのが得策とのこと。

※参考:
カルチュア・コンビニエンス・クラブ http://www.ccc.co.jp/
ロイヤリティ・マーケティング     http://www.loyalty.co.jp/
楽天                    http://www.rakuten.co.jp/
NTTドコモ                https://www.nttdocomo.co.jp/
東京電力                 http://www.tepco.co.jp/
日経МJ(2015年7月10日付)


 
 
 
 
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